特殊発泡体とは
AZOTE®(エイゾウト)は、化学発泡剤を用いない超臨界窒素ガス発泡方式で製造した、ポリオレフィン系およびエンジニアリングプラスチックの発泡体です。両者とも架橋タイプで、気泡構造は独立気泡となっています。
※超臨界窒素ガス発泡方式により、ホルムアルデヒドや硫黄、シロキサンアンモニアなどのアウトガスが非常に少ない発泡体でありシックハウス症候群の対策や電子回路など精密機器に対して安心してご使用いただけます。
AZOTE®は英国に本社・工場があるZOTEFOAMS社によって製造されています。(株)イノアックコーポレーションが日本国内の販売代理店として欧州の優れた材料をご提供させていただいています。
AZOTE®の製造方法はとてもユニークで特徴的です。通常は樹脂を膨らませるために発泡剤という薬品を配合し発泡させますが(化学発泡フォーム)、AZOTE®はこの発泡剤を一切使用しません。超臨界状態にさせた窒素を発泡剤として使用しています。そのため1つ1つの気泡(セル)は均一となり材料の隅々まで均一な密度となります。また同じ密度の化学発泡ポリエチレンフォームなどと比較した場合、AZOTE®のほうが物理的強度がアップします。それはすなわち軽量化が出来ることを意味します。そして最大の特徴として、発泡体から出る発生ガスを最小限に抑えることが可能となります。
対して発泡剤を使用する化学発泡フォームは発泡材の残渣がセル内に残るため発泡剤に起因するガスが発泡体から出てしまい、アンモニア系の嫌な臭いや金属などを腐食させる原因となります。
AZOTE®の製造方法について
- STEP-1 材料練り、押出し、架橋工程
原材料、添加剤、架橋剤、顔料などをミックスさせます。押出し機で練りながら架橋させ発泡前のスラブを製造します - STEP-2 含浸工程
STEP-1で製造したスラブを高温高圧下のオートクレーブに挿入し超臨界状態の窒素を含浸させます。 - STEP-3 発泡工程
STEP-2よりは低温低圧の発泡用オートクレーブに窒素含有のスラブを挿入し、加熱加圧することで発泡させます。